図解 モチベーション大百科
「図解 モチベーション大百科」 池田貴将 (著)。
帯には「スタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大など一流研究機関の学者がおこなった 100 の心理・行動実験からまなぶ意思決定、動機づけ、発想転換、人脈作り、自己管理、人材育成、目標設定、...の法則」*1と書かれています。書店で平置きにされていたらつい手に取ってみたくなるようなキャッチャーなコピーですね。本書は、感情と行動のメカニズムを理解してモチベーションの秘密解明をしようという本。
特徴的なのは、ほぼ全編にわたり見開きで1つもしくは2つのテーマが完結するようにとてもシンプルにかつ平易な言葉で説明されていることです。この構成は、ちょっとした隙間時間に少しずつ読み進めるような通勤時の読書スタイルなどにも適しており、ちらっとスマホを覗く代わりにページをめくって読むことができると思います。
内容についてはネタバレするといけないので、個人的に気に入ったトピックに関してかいつまんで列挙してみました。
- ゴールを間近に感じさせる。どれくらい遠いかよりもどれくらい近づいているかの方が達成度が上がる
- 消費ゴールによるモチベーションは、平均8週間しか持続しない
- ごほうびを与えると内発的な動機が損なわれるのはどういったとき
- 同じ行動を取っていると認識できると協力関係になりやすい (私は朝礼はしない派)
- 他人との比較より当人比の方が人は努力しやすい
- 「わかった?」ではなく「できそう?」
- 「なんで?」ではなく「どうする?」
- ゴールと持久力 – 多めにやろうと決める
- リーダーは結論を出さなくていい。・・・を待てばよい。でもチームはリーダーの結論を待つ傾向がある
- 迷ったときはあえて大変な方を選ぼう
- 奇抜なアイデアから出発すると独創的なアイデアが生まれやすい*2
- OOCEMR: Outcome, Option, Consequence, Evaluate, Mitigate, Resolve
- Growth Mindset
- 自分が思っているほど他人は自分に注意を向けていない
- 「落ち着こう」より「エキサイトしてきた」「ワクワクしてきた」
- 「忙しい」という言葉の定義を変えよう - 状態管理、健康管理、時間管理
- 問題は「ある前提」で話す
- 「やらされている感」を持たされている人は他人に対しても「やらされている感」を与えがち
本書で述べられている多くのことはとても実践的で実際の仕事場などでも応用できる内容なので、モチベーションのメカニズムを理解した上で上手に活用すると 100% うまくいくとは限らないが、少しは以前よりも物事がうまく運んだり、自分や他者のモチベーションの向上につながるのではないでしょうか。