【自分に影響を与えた10枚 1970年代編】 Day 8: A Night At The Opera / Queen

自分に影響を与えた10枚 1970年代編
Day 8: A Night At The Opera / Queen
Released: 1975

Queen によるロック史上燦然と輝く名盤 A Night At The Opera (邦題はオペラ座の夜)。
映画 Bohemian Rhapsody *1 の大ヒットで 40年以上前の曲が再度大ヒットしたクイーンですが、私がこのアルバムを初めて聴いたきっかけは、私が子供の頃に姉がこのレコードを持っていたことでした。もちろん初めて聴いた時からノックアウトされ、当時日本ではアイドルグループ扱いされていたクイーン(そのおかげで姉が買って持っていたのだから感謝)だけど、アイドルグループの曲と演奏じゃないな、こりゃすげえと感動して、姉からLPを奪い取って何度も何度も聴いていました。
とんでもなく分厚いコーラス、いろんな音や楽器で表現されたこのアルバムのジャケットには誇らしげに “No Synthesisers!” と書かれていました。Brian May は音の魔術師でもありますね。ちなみに Bohemian Rhapsody は180回もオーバーダビングされたそうです。

当時のマネージャーを痛烈に非難した Death On Two Legs。この曲の Brian May のギターはとてもよく歌っており、何度聞いてもしびれる。1曲目からこんなにカッコいいアルバムはそんなにない。Brian May は普通のピックではなく縁にギザギザの付いたコインをピック代わりにしていたらしいので、そのせいか弦を引っ搔くような音がなんともしびれる。

Lazing On A Sunday Afternoon、Seaside Rendezvous、Good Company などの古き良き時代を想起させるような曲が散りばめられているところがこのアルバムをさらに素晴らしいものにしてくれています。Seaside Rendezvous のジャズバンド風の演奏は、驚くことにすべてボーカルで実現されており、ブラスは Roger、木管楽器は Freddie の声です。Good Company でのクラリネット、トランペット、トロンボーンのジャズバンド風サウンドは Brian がすべてギターで実現しているんです。何という拘り!

牧歌的なアコースティックギターの ‘39 や幻想的な大作 The Prophet’s Song、最高に美しいラブバラード Love Of My Life。このLove Of My Life もクイーンの中でも大好きな曲ですが、アルバムでは Brian がハープを弾いているようです。実は、10代のときに 1度だけクイーンのライブを生で観ました。丁度、We Will Rock You や We Ara The Champion がヒットしていたころです。Love Of My Life のハープはどうするんだろうと思っていたら、アコースティックギターで実に美しく奏でたのです。あのときの感動は今でも覚えています。

そしてアルバムのハイライトの Bohemian Rhapsody。これは説明不要ですね。ガリレオー、ママミアとかなんじゃこりゃー、すげー、涙が出るほど感動した記憶があります。これほど完成度の高い曲を作った Freddie がもうこの世にいないのが残念でなりません。

このアルバムは、何度も買いなおしたり買い足したりしており、現在手元にあるのはリマスターCDDVD-Audio (Roy Thomas Baker と Brian による 5.1ch Mix)、Blu-ray Audio (今のところ最高音質だと思う) の3種類です。このアルバムは、マルチチャンネルで聴くと新たな魅力が加わり、クイーンの世界にどっぷりと浸ることができます。

まさかこんなに長い間聴き続けることになるとは思いませんでしたが、やっぱり良いものは良い。売れているメジャーなバンドは敬遠する人もいるかも知れませんが、単なる消費音楽ではないこういったアルバムは時代を超越した素晴らしさがありますね。

*1:プレーヤーも以っていないのに 4K Ultra HD を買いました... (^^;;