RSS マーケティング・ガイド

RSS マーケティング・ガイド

RSSマーケティング・ガイド 動き始めたWeb2.0ビジネス」(塚田耕司, 滝日伴則, 田中 弦, 楳田 隆, 片岡俊行, 渡辺 聡 著)。
RSS マーケットのビジネスチャンスについて書かれた一冊。オンラインビジネスに関わるマーケティングの人が主な対象だけど、エンジニアが知っていても損はしないと思います。但し、基本的にはマーケティング寄りなので RSS 関連のテクノロジーについてのトピックを期待すると外れるかもしれません。初版が2006年とうこともあり、今読むと内容が古臭く感じられるところ*1がありますが、これは進化のスピードの速さの証明でもあると言えるでしょう。
序盤はユーザーの行動パターン「SFO」(Search, Find & Obtain) の話から始まり現状を分析します。少し古いデータですが、RSSを知らいない人が全体の88%、RSSを使っていない人にいたってはなんと96%だそうです。でも実際には無自覚のまま使っている人が3割近くいるようです。その例のひとつに Microsoftstart.com」が取り上げられていたのが懐かしいです*2
IE7の登場で、RSS広告が大きく変化する可能性がある」と予測されていますが、果たしてそうなったのでしょうか?RSS検索エンジン*3は情報更新頻度の早さが売りですが、思ったほど普及していないように思われます。でもトレンドウォッチャーとしてのRSSは重要な情報源なので、通常の検索エンジンと比較するようなものではないのでしょう。
バイラルマーケティングの好例として紹介されている Hotmailシグニチャーですが、当時は確かに成功しましたが、今の時代にはあまり適切なものではなくなってきたようです。現在のバイラルマーケティングの好例は Twitter なのかもしれません。
メルマガとRSSと個人情報、AIDMA (Attention, Interest, Desire, Memory, Action), AISAS (Attention, Interest, Search, Action, Share), そして AIDPA (Attention, Interest, Desire, Push, Action)、モバイルインターネットにおけるRSSといったトピックも幅広く扱われています。ビジネス的にはまさにそうだなと思ったフレーズの抜粋です。

重視すべきは手法の新しさではなく、その効果である。いくら新しい手法であっても、効果が低ければ、事業に採用するメリットはない。

私はマーケティングの人間ではないので、本書はそれほど気に入った本ではありませんが、RSS 関連のツールが沢山紹介されているのが嬉しいですね。時間があるときにでもこの辺をじっくり覗いてみるのも楽しそうです。

*1:RSSリーダー機能が搭載された IE7 が登場するまえで、そのIE7の登場でRSSが一気に加速すると予想しています

*2:今日現在では start.com は bing.com にリダイレクトされます

*3:Technorati, Feedster,Bulkfeeds