第1回 野辺山グラベルチャレンジは今年最高のライドだった

注) 記事の内容は2019年11月時点のことですが、備忘録として2020年1月に投稿しました。

毎年野辺山シクロクロスは行っているのですが、最近はもっぱら観戦専門になっていました。今年は、野辺山シクロクロスが1日だけになるけど、2日目は野辺山グラベルチャレンジというイベントを開催するアナウンスがRaphaからありました。この日だけ解禁されるグラベルロードを含むコースを2ステージに分けて走るこの野辺山グラベルチャレンジのアナウンスを見た瞬間からこれは絶対に素敵に違いない、必ずエントリーしなければと直感的に思ったことを覚えています。

いよいよ本番の週末。野辺山へは土曜日のお昼ごろに到着して萌木の村ロックで定番のカレーを食べてからシクロクロスレースを観戦。相変わらず楽しさ満載なのですが、今回は野辺山グラベルチャレンジについてなのでシクロクロスレースの方は割愛。

1週間前から野辺山方面の天気予報はがっつり雨でした。日にちが近づくにつれて徐々に降水確率は下がったものの雨予報は変わらず。前日の夜から朝にかけてもしとしとと雨が降り続けていました。お天気の不安はありつつも取りあえず朝は早起きして受付しに行きます。受け付けは当日の早朝のみでしたが、せっかく前日から来ていたので前日受け付けもしてもらえると大変ありがたいです。次回検討よろしくお願いします。

参加者に配られるグッズがなかなか素晴らしくRaphaのNobeyama Gravel Challengeの第1回記念キャップ(非売品)、Nobeyama GCの手ぬぐい、SRAMのボトルなど実用的かつセンスのいいグッズでした。自転車イベントの参加賞ってもらって嬉しいものがほとんどないのでこれは素直に嬉しい。

今回私はシクロクロスバイク(Van Dessel の Gin & Trombones)でエントリー。タイヤはChallenge GRIFO 33c。スタート前までは小雨もちらついていましたが、スタートしてしばらくするとなんとか雨は止んでくれました。

まずはStage 1 (27.7km)。滝沢牧場を抜けるまでがかなりの泥コンディションになっており、いきなりバイクは泥まみれw 雨は止んだというもののどんよりと曇った空で霧もかかっており、これはこれでちょっと北欧の雰囲気みたいでテンション上がります。

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グラベルロードを緩斜面を登ります

 前半は登りが続きますが、グラベルロードが想像していたがれた感じのものではなく、こまかい砂利をローラーでぐっと押して整備されたようなきれいで走りやすい道がずっと続きます。数百メートルかと思いきや、この整備されたグラベルロードがかなりの区間続いたのは驚きでした。日本にこんなすてきな道があるとは感動です。そして走っているうちにみるみると天気が良くなり澄んだ青空に変わりました。光が変わると景色もみるみる変化しますね。

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朝の陽の光が気持ちいい

計測区間くらいは頑張ろうと思っていたのだがポイントを間違えて計測区間内で停止しつつ後続を待ち、熱くなったのでジャケットを脱いで畳んだりとまったりし過ぎて大幅タイムロスw ま、いっかw ヒルクライムをこなして頂上にはタベルナ・エスキーナとCanyonのコラボブースがありレモネードをふるまってくれた。ここで飲んだホットレモネードは過去最高にうまかった!

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とても走りやすいグラベルヒルクライムでした

ダウンヒルの途中からまた霧が濃くなり、これがまた幻想的な風景を作り出してくれて、舗装区間に出てからもウェットなロードとガスった視界がいいムードです。ほどなく滝沢牧場に到着してStage 1もゴール。

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天候の変化で景色もみるみる変化

軽く休憩を補給をとってからStage 2 (23.1km)をスタート。この頃にはふたたび快晴となり、気温もぐんぐん上昇してきました。すると畑から水蒸気が出てなんとも言えない幻想的な景色を作り出してくれました。これも前日からの雨からの快晴へ変化した気温差の影響でしょう。自然ってすごい。これほど気温差と天候の変化を自然が反応してそれを半日で満喫できるなんて1年の内でも何日あるだろうかと考えると我々は本当にラッキーだったのだと思います。

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水蒸気が幻想的な景色を作り出してくれた
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止まって写真を撮らずにはいられませんでした

しばらくは農道のような走りやすい道を進み、やがて林道のグラベルに向かいます。ここのグラベルがStage 2 の計測区間でしたが、前日の雨の影響なのか見事に泥で仕上げられていました。ぬかるんだ泥の坂道はなかなかタフでこのときほどリアにもう1枚大きなギヤが欲しいと思ったことはありませんでした。とは言ってもフロント36Tでリアも27Tあるのですが、すっかり脚力が衰えた今の私には足をつかずに上るのが必死でした。グラベルバイクだったらMTB用の50Tのカセットを付けたりもするので、こういったぬかるんだ上り坂はビッグギヤ万歳ですね。

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美しい林道。泥区間は難易度高かった。。

泥で思い林道区間が終わると一気に広大な牧草地が目の前に広がります。登った後のご褒美のパラダイスかと思うほど幸せに満たされた瞬間でした。

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一気に開けた牧草地が現れた

そして牧草地にはRaphaルイゾンカーがあって淹れたてのエスプレッソ、コーヒーなどが振舞われます。メニューはエスプレッソ、ロングブラック、フラットホワイト。バナナ、MANAバーも。まさかこんな場所でラッテアート入りのおいしいコーヒーが飲めるとは思ってもみなかったので感動です。ライダーの皆さんもみんな笑顔でコーヒーを飲みながらゆっくりと楽しいひと時を満喫しているようでした。

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Rapha Mobile Clubhouse

最後は舗装路基調でゴールの滝沢牧場へ。

いやー、楽しかった。素晴らしいコース、素晴らしい天気の変化による自然の演出で美しい景色が沢山楽しめました。この野辺山グラベルチャレンジは、私にとっては間違いなく2019年のベストコースと言えます!控え目に言ってサイコーです!矢野さんをはじめRaphaの方々、数多くのスタッフやボランティアの皆さま、ご理解ご協力いただいた地元の方々に本当に感謝いたします。素敵な経験をさせていただきありがとうございました。

余談だが、この野辺山グラベルチャレンジが他のロングライドやサイクリングイベントと何か違う雰囲気があるなと感じていたのだが、それは上述した素晴らしいコースやグラベルというだけでなく、どうやら参加者の多くがRaphaをはじめとするお洒落なウエアを着ていたことだと気づいた。

2020年は野辺山シクロクロスのおまけ的な感じではなく単独開催という噂もあるので、ぜひまた参加してみたいです!

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)。
プロノイア・グループ代表取締役で元Googleで人材育成と組織開発に携わっていたPiotr Feliks Grzywacz氏が最高のチームづくりについて書いたのが本書です。
冒頭からいきなり能力のピラミッド、チームメンバーの心理的安全性を高めチームの成果を高めるにはといった話が始まり一気に引き込まれます。この心理的安全性というものが実は最も大切なことなのでしょう。本書はマネージャー職の方はもちろんですが、そうでなくてもとても役に立つ内容が満載です。ここに書かれている優秀なマネージャーの特徴を知ってしまうと良くも悪くも自分のマネージャーや他のマネージャーの何が優れていて何がそうでないのかが見えてきます。すべて見えないことの方が幸せなときもあるかも知れませんがw
コーチングが大切であることは言うまでもありませんが、コーチングは対個人でけでなく対チームに対してもできるとか、GROW (Goal, Reality, Option, Will)*1の話、生産性の高いチームの特性、マネージャーの大切な役割などの説明はどれも非常に説得力があり、私自身もとても共感する部分がほとんどです。コーチングのときにこんな質問をすればいいといったことを書いている本はよくありますが、前提条件が抜け落ちていることが多い気がします。それが無条件の肯定的関心で、それが何を意味するのかは本書を読むとよく理解できます。
その昔私も 1 on 1 でタスク管理のようなことをしていましたが、幸い今はそういったことだけをすることはありません。本書でも 1 on 1 はそういったことではなく何をするためのものかが示されています。人は怠けることもあるし、失敗したり後ろ向きになることもあります。そういったときに性善説に立ちながら何をするかがマネージャーの役割でもあります。本書で紹介されているメディテーションの方法はどこかの本で読んだ女性から相談される悩みをどのように対応するのかに共通する部分があるなぁと感じました。
チームのパフォーマンスを上げるには、マネージャーはチームメンバーとどのような会話が必要なのかについての解説を読んで、自分が現在実践していることもそれほど悪くないんだなと安心した部分が少しと改善が必要だなと感じた部分が沢山ありましたね。
自己認識から自己効力感への変遷、価値観ベースの質問、マネージャーのやるべきこと3つ、今日のビジネスのあり方、パフォーマンスの3つの時間軸(短期的、長期的、随時的)などなど頭ではぼんやりと理解しているつもりであった事柄もこうやって体系的に理路整然と語られると自分の中でも整理ができて大変参考になります。
ピラミッド型からツリー型の組織へという話の部分は、自分の環境ではまだまだ進んでいないテーマです。これは私ごときの一個人で変えていくのは簡単ではありませんが、そうなったらどうなるんだろうというワクワク感はありますね。
私自身現在最も意識して取り組んでいることが、自分自身にもチームメンバーにも学びの機会を与えるということ。権限移譲もそのひとつですね。モチベーションは、Purpose, Mastery, Autonomyの3つの要素が揃うとよいらしいので、ときどきその点を自問自答したり相手に質問したりすることは大いに役立ちそうです。
Diversityについても述べられていますが、その点はかなり叩き込まれているせいか目新しいことはさほどありませんでしたが、ふむふむその通りと頷くことは多かったですね。また、最近何人かの人によく話をするのが本書でも述べられている「完璧主義」ではなく「実験主義」でなければならず、それがよい集合知を得るということです。まさに Agile です。Learning Agility という言葉も使われており、そのスキルがマネージャーにもメンバーにも求められています。
幸い、私の周りにはあまりいませんが、オールドエリートが威張っているような会社は辞めた方がいいといった内容もいいですね。同感です。Traditionalな日本企業はいまだにこういったことが多いのではと想像します。
プロノイア グループの理念が著者の名前にちなんだ P.I.O.

  • Play Work
  • Implement First
  • Offer Unexpected

これはめちゃくちゃ参考になるし、めちゃくちゃ共感します。
Employee Experience, 先読み、Sympathy, 気配り。こういった単語だけを並べるとわかったつもりになってしまうかも知れませんが、意外と我々は本当の意味を理解していないのかもと気づかせてくれます。
本書で紹介されている Situational Leadership というフレームワークは私もトレーニングを受けたことがあります。メンバーのSkillとWillに応じて接し方を変えることは絶対必要です。マネージャーのコミュニケーションの3つの原則は思わずにやりとしてしまいますね。
Googleの考え方では、1人のマネージャーが面倒を見られるメンバーの数は7人以内。頑張っても10人以内とされていたそうです。15人も20人もいると十分に面倒を見れているかというと、決して満足のいくレベルではないということになるのかもしれません。(遠い目...)
Googleのチームマネージャーももちろんプレイングマネージャーですが、私がよく口にするプレイングマネージャーとは少し定義が異なっていました。かつ、一般的なプレイングマネージャーと何が根本的に異なり、どうあってはならないのかも解説されています。
目からうろこが落ちたのは、人を採用するときに Culture Fit ではなく Culture Add であるべきということ。頭の中では Diversity が叩き込まれていたつもりでも、ある人をチームのメンバーに迎え入れるべきかどうかを判断する際に無意識にチームにフィットするかどうかという観点を盛り込んでしまっていました。なるほどこれではダメですね。
マネージャーとしては重要な役割であるメンバーの評価についても、行動ベースの評価や引き算の評価などがすぐに活用できる内容でとても参考になります。
他には Google の話として、OKR(Objective and Key Results) はSMART(Specific, Measurable, Attainable, Relevant, Time-bound)でなくてはならないとか、ピアボーナス制度、Be Scrappy、マイクロキッチンの廊下が狭い理由など興味深い内容もあって楽しく読めました。
日本独特の「飲みニケーション」というコミュニケーション方法がすっかり少なくなった(?)と言われる今日この頃で、そもそもこの飲みニケーションを否定する人も増えてきた気がします。著者のピョートルさんは、ポーランド出身なのにこの「飲みニケーション」を否定していないのも興味深いですし、すっかり減ったとはいえ飲みニケーションが嫌いじゃない自分はますます共感してしまったのでした。(^^)

*1:ここでのOptionは行動計画

はじめてのツール・ド・東北

注) 記事の内容は2019年9月時点のことですが、備忘録として2020年1月に投稿しました。

以前から行きたいと思いつつもなかなか都合が合わなかったりで一度も参加できていなかったのがツール・ド・東北。ようやく2019年に参加することができました。ツール・ド・東北は言うまでもなく東日本大震災の復興支援、および震災の記憶を未来に残していくことを目的に、2013年より開催している自転車イベントです。

せっかくだからということで今回は前日入りして石巻で民泊。宿からすぐのサン・ファン館の辺りを軽く見学して、お風呂はみんなで女川駅の2階にある温泉ゆぽっぽへ。この辺りはすべてが再構築されていてとても洒落た街並みになっていましたが、既に日が暮れてしまっていたので、機会があればもっと明るいうちに訪れたいですね。温泉施設の中に掲示されていた手書きの石巻日日新聞が震災当時の大変な状況を物語ってくれました。

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サン・ファン館と女川温泉ゆぽっぽ

夕食は民泊のお母さんの沢山の手料理でもてなしてくれます。宿泊していたのは、我々5人と別の方々2名。食事をしながら当時の状況をリアルに語ってもらえたので、いろいろなことが知れたと思う。普通にホテルに泊まっただけでは決して得ることのできない貴重でかつ楽しいひとときでした。

当日は日の出前に出発して自走でスタート地点の石巻専修大学に向かいます。今回私がエントリーしたのは石巻発170km「南三陸フォンド」というコース。210km「気仙沼フォンド」にしようかとも思ったけど、これだと更に朝が早い。朝起きるのが年々辛くなってきたのと、コースを堪能する時間を持ちたかったので今回は170kmにしました。結果オーライで、スタートゴール地点までの移動を含めると193kmだったことを抜きにしても、170kmでも十分走り応えありましたw

170km「南三陸フォンド」は、5:45集合の6:15~順次スタートというスケジュール。210kmになるとこれより更に45分早くなります。

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スタートは石巻専修大学

本大会は震災後の復興の様子を見たり、当時の爪痕を目の当たりにしたりできることがとても重要です。それ以外にも沢山素晴らしい点があり、美しい景色、地元の皆様による沿道の応援、今までのどの大会よりも生き生きとしたボランティアの皆さま、その沢山のボランティアの皆さまに支えられていると思われる数多くのエイドステーション。魅力は尽きないですね。

今回の170kmのエイドステーションを振り返ってみましょう。

  1. 女川 at 18km地点: 女川汁(サンマのすり身汁)
  2.  雄勝 at 37km地点: ホタテ焼き
  3. 神割崎 at 60km地点: 南三陸かあちゃんむすび
  4. 歌津 at 84km地点: 南三陸シーフードカレーとバナナ
  5. 蔵内 at 104km地点: カボチャまんじゅうとワカメ汁
  6. ホテル観洋 at 123km地点: フカヒレスープ
  7. 北上 at 144km地点: うにめかぶ

とにかくすごくてスキがない。どこにいっても「めっちゃうまい!」しか言わなかった気がしますw 補給食を携帯する必要はないと思います。

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走っていて楽しいコース

そしてここ何年かは天候に恵まれなかった本大会でしたが、2019年大会はこれほどは望めないという最高の快晴でした。東北ということもあり最初は少し寒いかもなどと思いましたが、この日に限っては気温もかなり高くて(Wahooによると最高気温25℃でした)予想外の日焼けしまくってしまうほどでした。お天気重要!

コースの多くは海岸沿いですが、平坦というよりもずっと細かいアップダウンの連続という印象です。高低図を見るとわかりますが100m登るような坂は恐らくなく、上ったり下ったりでこれが結構脚に負担がありました。登りでアタックするおっさんやら、平坦の綺麗なまっすぐの舗装路で高速トレインで引きずり回すおっさんやらにいじめられましたが、そういう要素も少しくらいならいいかな。

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夕暮れが近づく時間帯もきれい

それぞれのエイドステーションの提供食がおいしくて、ついついまったりし過ぎたことが後になって影響してしまい、最後の方のエイドステーションは制限時間ぎりぎりという始末。ゴール地点の制限時間が17:30だったので余裕だろうと高をくくっていたけど、結局最後は17:00頃にゴールするという結果でした。ある意味長い時間満喫できたと言えなくはないですが、次回はもうちょっと休憩時間を短めにコントロールした方が良さそうです。「元気を与えるつもりが、逆に元気をもらった」とよく言われるツール・ド・東北ですが、その意味は走ってみて初めて体感できるものですね。お勧めです。

  • 距離: 193.27km
  • 獲得標高: 1,999m
  • 平均スピード: 22.5km/h (max 65.6km/h)
  • TSS: 460
  • NP: 160W (max 798W)
  • 平均ケイデンス: 64rpm

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    三陸フォンド コース

1分間顧客サービス - 熱狂的ファンをつくる3つの秘訣

1分間顧客サービス - 熱狂的ファンをつくる3つの秘訣」Ken Blanchard + Sheldon Bowles (原著)。
オリジナルのタイトルは、”Raving Fans”。日本語では熱狂的なファンといったところでしょうか。なぜ「1分間~」という邦題が付けられたのかはわかりませんが、ベストセラーの「1分間マネージャー」にあやかったものなのかも知れません。この本が書かれたのが1994年だから25年ほど前になるのですが、今の時代でもまったく通用する話、というかむしろ昨今ではこの重要性が見直されているようにも思えます。
本書はよくある自己啓発本とは異なり、主人公の前に突如として現れたチャーリーという妖精とともに熱狂的ファンを生むための3つの秘訣をストーリー仕立てで紹介していきます。小説という形式になっているので、物語に引き込まれあっという間に読了してしまいます。
顧客満足を得るだけではなく、熱狂的なファンをつくるにはさらに上のサービスが必要となると考えるのが普通です。確かにそれ自体間違ってはいないと思うが、本書では「いい顧客サービスをしたいと考える人は、すべての人のすべての望みに応えようとしがちです。それは無理なんです。」とある。顧客の気まぐれやわがままにすべて応えるのがファンをつくることになるかと言えば、必ずしもそうではないということ。顧客を知ることも顧客が望むことを知ることも決して簡単なことではありませんが、顧客の言葉に耳を傾けるとき、その傾け方にポイントがある。それは「言葉」と同じように「音色」に耳を傾けなければならない。何でもかんでも顧客の期待に応えるのではなく、ビジョンから逸脱しないようにすることが大切です。
顧客満足度のアンケートなどを実施している企業は多くいるが、何か不満があっても文句を言わない顧客が多数いる。それは言っても仕方がないと思っているからで、そういったサインを見逃して、大きな不満がなさそう(もしくは不満は少数意見)だと判断してしまい、大きな機会損失をしてしまっている可能性は高い。
そして、「ひとつ余分に実行せよ」((これは短縮版で、もともとは「1パーセント余分にビジョンを実行せよ」である))というのはとても腹落ちします。これの意味するところの詳細は本書を読んでいただくとして、ここでは省略します。
期待に応えるだけではなく、常に期待以上のサービスを提供することこそが最も重要だというようなことは本書では述べておらず。期待に応え続ける一貫性が重要だと述べている。そうするためには、システムが必要だが、それは決してルールの集まりではない。がちがちのルールを沢山設定すればするほど、それはロボットをつくってしまうことになる。スクリプトを読んでいるだけのコールセンターに対して熱狂的なファンになることは決してないでしょう。

もし顧客の考えに耳を傾けてそのニーズと欲求を知ろうとしなかったら、....(中略) その顧客を人間として無視することになる。耳を傾けていないということは、相手の考えに何の価値もないと言うのと同じだから。

それを変えると、ニーズに応えることができるし、顧客の意見を尋ね、耳を傾け、尊重すれば、顧客を知性を持った人間であるように対応することになる。
自分の中でオーバーサービスと熱狂的ファンを生むサービスの違いが少しわかってきたような気がしました。

AI時代の人生戦略

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である」(成毛 眞著)。

成毛さん*1の本は面白いというのをどこかで読んだか聞いたかしたけど、実は今まで読んだことがありませんでした。今回初めて手にしたわけだが、なるほど確かに面白い。経営者になろうかって人種は知識量がすごいですね。

思考が変わって行動に変化が起きれば、習慣が変わり、そうすると人生が変わる。そのために重要なのがSTEMやSTEAMというわけだ。STEMはサイクリストであればよくご存知のハンドルを取り付けるパーツですが、ここで言うSTEMはそれではなく、サイエンスのS、テクノロジーのT、エンジニアリングのE、マセマティックスのMの頭文字をとったもの。STEAMはそれにアートのAが加わる。

15歳児を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野を調査したPISA2012のレポートによると、日本は平均点を上回っていることがわかる。しかし、上海、香港、シンガポールの平均点と比べると劣っており、ものによっては大きく下回っている。知り合いの中国人に聞いたところ、上海のその年代の学生はものすごい時間勉強をしているのでその結果に驚きはしないとのことだった。著者は日本の教育のあり方、特に大学受験あたりからのあり方を変える必要があると強く主張しています。私立文系に進むと決めた瞬間に高校で数学を学ばなくなることが問題で、文系とか理系に限らず今後はそのような教育が必要になる。個人的にはこの点は同意です。

フランケンシュタイン、ヴァンパイアなどの例を取り、自然現象と文明や文化の関連性もとても興味深いですし、perfume, babymetal, OK GoのライブやMVを引用してテクノロジーとアートを説明しているところも守備範囲の広さを伺える。

M.ロジャースのイノベーター理論やジェフリー ムーアの「キャズム」の話もさらっと登場している。これらのロングセラーは必ずおさえておきたいところですね。

これ以外にも本書のテーマに沿って、ありとあらゆる事例をこれでもかというくらい沢山用いながら、豊富な知識量と引き出しを使った説得力のある解説が続く。

詳細は割愛するが、Uber、FinTech ロボアドバイザー 知ってると知らないとでは大違いで知らないと損する、技術革新が世界史を、私立文系の入試のあり方、トヨタ社長の鶏そぼろ弁当の話、Xiaomiのセグウェイ(ナインボット ミニ プロ)、DJIのドローン、ポケモンGoPlayStation、AR/VRなど盛りだくさんである。ゲームに関しては、実感してから理解すると書かれている通り、(ゲームに限らずだが)体験しているといないとでは数年後に大きな差となってくるだろう。

ホリエモンとの対談では、この2人さまざまな分野の知識がとても豊富で驚く。医療、自動車、宇宙、パティシエなどなど。

STEAMを活用するには imagination と creativityが必要だが、これらは小手先のテクニックでは養われない力で、道を突き進み、ときには失敗して経験値を上げる必要がある。これはAIには代替えできない、人間にしかできないことと述べられている。

最後に「残酷な5年後に備えて今すぐ読みたい本」と題して多くの本が紹介されている。意外だったのがSF小説が多いこと。ザッカーバーグSF小説好きらしい。まずはこの中から1冊買ってみることにします。

どうでもいいことだが、成毛さんって古舘伊知郎に似てるというのは、すでに有名な話なのでしょうか?この本のカバーはもちろんだけど、やっぱり似てる(笑)

*1:マイクロソフト日本法人の2人目の代表取締役社長。初代はもちろん古川さん

物議を醸す READY STEADY TOKYO 自転車ロードレースの観戦エリア

いよいよ来週の日曜日7月21日に2020年東京オリンピックの自転車ロードレースのテストイベント READY STEADY TOKYO が開催されます。

自転車ファンにとってはとても楽しみなイベントであることは間違いない。公道を走るロードレスなので、(当たり前だが)交通規制は絶対に必要であり、下り坂などのスピードの出る場所などは観戦禁止エリアを設けることも当然であろう。しかしながら、ファンとしては見どころと思われる場所を含めてほぼ大部分*1が観戦禁止エリアに設定されており、SNSで失望、批判、落胆などの声が多数上がっている。私もその一人です。その辺りは以下の cyclist.sanspo.com の記事にまとまっています。

cyclist.sanspo.com

各地域の交通規制区間のリンクは以下の 記事にすべて掲載されています。

tokyo2020.org

現在、世界最大規模のグランツール Tour de France 開催中で、私も毎日JSportsで熱いレースを観ているのですが、ときには観客の人たちの自宅の近くがコースだったり、勝負どころの登り地点で観戦応援したり、子供たちも憧れの選手たちが走る姿を目に焼き付けたり、走る選手も大勢の観客も最高にテンションが上がる瞬間が毎日映像として届けられます。これこそがロードレースです。

ところが、今回のROAD STEADY TOKYO 自転車ロードレースでは、のきなみ観戦禁止エリアに設定されており、観客が誰もいないロードを世界から集まった選手が走ることになります。こらはもう違和感でしかありません。しかも今回はせっかくのテストということなのに中継も行われないらしい。先日の富士スピードウェイで行われた全日本選手権の放送を観た人はわかると思いますが、日本のカメラワークはお世辞にも良いとは言えません。であればもっとテストした方が良い気がします。

自転車ロードレースの魅力を伝えるという大きなミッションはほぼ達成されないことになるでしょう。大変残念でなりません。

今回の観戦禁止エリアの決定理由はとにかく安全第一に考えた結果だとのこと。なるほど、観客を寄せ付けなければリスクは減ることは間違いないでしょう。ただひたすらリスクとなる要素を少しでも減らしてとにかく安全第一にしたいのであれば、柵で囲まれた周回コースを100周走るようなコース設定がベストなのかもしれませんね。Tour de Franceのようなヘリからの空撮などは、もしヘリが墜落したら大変だということでもっての外なんでしょうかね...

では、日本で安全第一を優先した結果、なぜこのような結果になってしまったのでしょうか?恐らくこれにはさまざまな理由が考えられると思います。ここですべてを語ることは難しいですが、いくつか私が思いつくことを書いてみます。

自転車観戦慣れしていない

これはすぐに思いつくことでしょう。Japan CupやTour of Japanでは、これほどまでに観戦禁止エリアを設定いないのは、開催されている場所に普通の住宅街が多くなく、観客のほとんどが自転車ファンということもあり、ある程度観戦慣れしているのが大きいでしょう。Japan Cupでは毎年古賀志林道の九十九折の上り坂で沿道の大勢のファンが熱い声援を送っています。歩道なんてありませんが、もちろん観戦禁止エリアではありません。選手の息遣いが聞こえるほどの至近距離で観戦できます。これはロードレースの醍醐味のひとつですね。(下りは立入禁止になっています)

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2014年のJapan Cup。古賀志林道にて

    自己責任の考え方が薄い文化

    SNSなどで「日本は~」とか「日本人は~」とか日本人批判をときどき目にします。個人的には、そういった批評批判だけを書き残すのはあまり好きではないし、読んでいてもどこかいい気持になれないときもあります。ただ、今回の件の背景には、日本/日本人の自己責任の考え方の現れがあるのではないだろうかと思います。

    どういうことかと言いますと、何かリスクがあったり事故があったりすると、日本は運営側、管理側、主催者側などの責任となることが多いです。アメリカは(恐らく多くの他の国も)どちらかとうとそれは自己の責任だろうという考えが多い気がします。

    例えば、数年前に私がグランドサークルで断崖絶壁などが多い大自然満載の国立公園を巡ったときに見たことですが、断崖絶壁でそこから落ちたら絶対に死ぬだろうという場所がときどきあります。実際に年間数名は落ちて亡くなることがあるそうです。ぎりぎりまで行って足を滑らせて落ちてしまったら、国立公園の事務局とかそういうところの人たちが責任を問われるというわけではなく、それは自己責任なんです。

    では、日本ではどういうことになるか想像してみましょう。仮に足を滑らせて亡くなった人がいると、もしかすると公園の運営管理側の安全管理が問われるかもしれません。そこで、すぐに崖から落ちないように、地面に杭を打って柵を作ってしまうかも知れません。大自然に杭を打ったら自然に影響を与えてしまうし、景観も台無しになってしまうかも知れません。その部分を大切に考えて、自然に手を加えない考え方と、管理責任が問われるから安全のために自然やその他を犠牲にしてしまう考え方。どちらがいいとか悪いとかという議論をここでするつもりはありませんが、そういった自己責任や安全管理責任の所在などの日本の考え方の現われのひとつが、今回のこの「安全第一、観戦禁止」という決定に大きく関係している気がしています。

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    写真は2014年にユタ州Bryce Canyonに行ったときのもの。実はかなり足がすくんでおりましたw

    さすがに1週間後なので、決断が大きく覆る可能性は極めて低いと思いますが、2020年の本番のときには日本も安全に配慮した自己責任に基づいてロードレースを観戦し、多くの人に自転車ロードレースの魅力とワールドツアーレベルの選手の走りの凄さをぜひ生で観れるようになって欲しいと切に願います。

    Tacx Neo Smart (後編)

    Tacx Neo Smart (前編) の続きです。

    いよいよバイクの設置です。前編でも書きましたが、私のフレームが142x12mmのスルーアクスルなので、標準で付属しているクイックリリースは使えません。できればスルーアクスル用のアダプター T2835も標準で付属してもらえるとありがたいです > Tacx さん

    このT2835なんですが、なんだかいろいろなアダプターが付いており何がなんだかよくわかりません。詳しい説明書が付属しているわけでもなく、パッケージに下のような図があるのみです。仕組みを理解している人にとってはこれで問題ないのでしょうが、私はそうではないのでこれを見ても何がなんだかよくわかりませんでした。試行錯誤した結果、写真のようなシャフト、クイック、アダプターなどの組み合わせで固定できることが判明しました。それ以外の2~3のパーツは私のフレームの場合は必要ありませんでした。

    しかし!私のフレーム(恐らくCanyonの多くのディスクブレーキのロードバク)は、スルーアクスルのドライブトレイン側の穴が塞がっているので、T2835の細いシャフトは固定できません。いろいろと悩んで試行錯誤したけど、これはどう考えても無理です。この蓋というかカバーで穴が塞がっている限りどうしようもなさそうです。

    この穴を塞いでいるカバーをよく見るとネジで固定されていそうです。これだ!と思い2.5mmアーレンキーでネジを緩めます。するとこの蓋が外れて穴が出てきました。この2.5mmボルトとカバーを外して、ディレーラーハンガーに先ほど外したボルトを使って直接固定します。つまり元々の状態との違いは、カバーが無くなっただけなので穴が貫通した状態になったわけです。

    これならなんとかなりそうだということで、バイクを Neo Smart に設置して、アダプターT2835を貫通させ、あとは通常のクイックリリースと同じ要領で固定させます。本当にこんなのでいいんだろうかという不安もありましたが、その後ローラーに乗って負荷をかけても外れたりすることはなかったので大丈夫そうです。

    ブレーキ側の方はというとブレーキキャリパーとNeo Smart本体とのクリアランスがギリギリです。あまりにもスペースに余裕がないので、設置するたびに本体を擦ってしまい、すでに傷が沢山付いてしまっています。この辺りもディスクブレーキのことをあまり考慮していない設計なのかなと思ってしまいます。ディスクブレーキキャリパーを本体に一度も擦ることなく設置するのは至難の業ではないでしょうか...

    何はともあれ無事設置できたので、早速乗ってみます。Zwift といいたいところですが、せっかく Tacx アプリのPremiumアカウントサービスが3か月分無料なのでそちらを試してみました。一番楽しそうなのは、バーチャルではなく実在する場所のビデオを見ながらローラーができるメニューでしょう。無料で利用できるコースは少ないのですが、3か月間は有料サービス向けのコースもすべてアクセスできるので、興味がわいたものからいくつかピックアップしてみました。

    1つ目はあのTour of Flandersのコースの一部を実際のプロのレースの先駆けて走るイベントコースの中からの抜粋。Kruisberu~Oude Kwaremont~Paterbergなどファンにとってはよだれもんの有名な石畳激坂のルートです。この映像と自分のペダリングや強度がシンクするのには思わず「おー、すげー!」と声が出てしまいます。坂道に入るとペダリングが重くなり、シフトダウンしないと登れませんし、石畳区間では、バイクがガタガタと振動するところも再現されます。逆にダウンヒルになると、ペダリングも軽くなりシフトアップしないと空転しますし、スピードに乗るとペダリングを止めてもホイールは回転し続け実走さながらです。テクノジーの進化に驚かされますね。これでスマートトレーナーの凄さを一気に思い知らされました。実際に私が走っているときの映像を少しだけキャプチャーしたものが以下の映像です。すごいですよね。


    Kruisberu ~ Oude Kwaremont ~ Paterberg


    Iseran - Val-d'Arc

    自宅の部屋に居ながらにしてヨーロッパの美しい街や山岳地帯を走れるなんて一昔前では考えられませんでした。正直高い機材ですが、感動させられました。もはやローラー台(というかスマートトレーナーという呼び方が正確)のメーカーはハイテクエンジニアリング集団でなければ淘汰されてしまう時代が訪れたのかも知れません。