【自分に影響を与えた10枚 1970年代編】 Day 10: Aja / Steely Dan

自分に影響を与えた10枚 1970年代編
Day 10: Aja / Steely Dan
Released: 1977

あの山口小夜子がアルバムジャケットに使われたことでも話題になったこのアルバムは、昔から必ず私の個人的なマイベストなんちゃらに入ってくる一枚で、この次にリリースされた Gaucho と共に極めて完成度の高い曲と演奏が収録されています。

六本木のミッドタウンに Billboard LIVE ができて間もないころ、Steely Dan が来日し、そのときライブを見たのが 2007年8月。約13年前のことです。そのときはこのアルバムからは Peg, Aja, Josie の3曲がが演奏されました。どれもイントロが流れただけでテンション上がる曲ですね。
Steely Dan といえば、昔からレコーディングの音のクオリティが高くて、かつソフトも 96kHz/24bit の高音質版もリリースしており DVD-AudioSACD も多く発売されていました。ところが、絶対にいい音に違いないこの Aja だけがなぜかリリースされなかったんです。でも 2010年についに発売され、すぐに買ったことを覚えています。各楽器の分離と解像度がよく、SACD再生環境をお持ちであれば超お勧めです。

メンバーの Donald FagenWalter Becker が素晴らしいのはもちろんですが、他の Steely Dan のアルバム (特に70年代後半のアルバム) 同様にこのアルバムでもジャズ・フュージョン界の凄腕ミュージシャンが多数参加しており、最高のグルーブを生み出しています。その一部を紹介すると、ドラムは Steve Gadd, Bernard Purdie, Rick Marotta、ベースは Chuck Rainey、キーボードは Joe Sample, サックスは Tom Scott, Wayne Shorter、ギターが Larry Carlton, Lee Ritenour, Jay Graydon, Steve Khan、バックボーカルに Michael McDonald などなど。例えはよくないですが、一流ピン芸人を沢山集めて大コント大会やっている感じなのですが、目立ちたがり屋は一人もおらず全体のハーモニーを心得たハイレベルなお笑いを次から次へと繰り出すので終始ばかうけですw

Steely Dan の中でも名曲中の名曲であるタイトル曲の Aja は、ピアノから始まりクリーントーンのギターが絡んでくるあの洗練されたイントロで始まります。約8分と長めの曲ですが、もともとはもっと壮大な曲だったのをコンパクトにまとめたという話を聞いたことがあります。1曲の中でも曲調が何度か変化し、そんなに長いと感じたことはありません。どのパートもとにかく素晴らしいですが、一番好きなのは Wayne Shorter のテナーサックスのソロが始まる辺りから、Steve Gadd のドラムが(良い意味で)大暴れし始め、サックスとドラムの大バトルが繰り広げられます。この曲のドラムは何度聴いても、聴いている側もつい力がはいっちゃいますね~。
このアルバムに収録されている曲はすべてクオリティの高い演奏が聴けるので、ドラムだけに注目して聴くとか、次はベースだけ、その次はギターといった聴き方も楽しめますし、そうすると必ずもっと好きになれると思います。

この辺りの凄さは、Steely Dan "The Making of Aja" (Japanese)
youtu.be
として YouTube で見ることができます。これは DVD として発売されたもので、私も以っていました。お勧めです!

これでようやく10枚目です。ジャンルもばらばらでしたが、実際にいろいろなものに影響を受けたのだから結果もそうなってしまったのは必然なのかもしれません。惜しくも10枚からもれたしまったものを含めるとさらにジャンルがさまざまになります。それが何かを書くと10枚にならないので今回はやめておきます。