【自分に影響を与えた10枚 1970年代編】 Day 4: Something/Anything? / Todd Rundgren

自分に影響を与えた10枚 1970年代編
Day 4: Something/Anything? / Todd Rundgren
Released: 1972

当時は LP2枚組としてリリースされた Todd Rundgren の最高傑作です。
ロディアスな曲がこれでもかというほど次から次へと出てきます。全部で 25曲も収録されている玉手箱のような作品。それだけでも十分過ぎるほど凄いのですが、数曲を除いてすべて彼の作詞作曲、そしてボーカルはもちろんすべての楽器も彼一人で演奏しているというから驚きです。きっとすべて自分の納得のいく演奏にしたかったんでしょう。そしてそれが出来てしまうんだから凄いとしか言いようがないです。内ジャケットの写真に恐らくそのレコーディングのときのものと思われる写真が使われています。

私の中では看板曲だと思っている I Saw The Light から始まり、美しいバラード It Wouldn't Have Made Any Difference, Cold Morning Light と流れる感じはとっても素敵です。It Takes Two To Tango なんてものすごくポップだけどよく聴くと凝ってる。Sweeter Memories は、ギターとコーラスのイントロからいきなり引き込まれるこれまた美しいバラード。

Intro からはレコードのときは B面 (このアルバムでは PART 2 と呼んでいる) だったけど、ひっくり返して聴いたら曲じゃなくておしゃべりが 1分近くあったのはびっくりしたというのを思い出しました。その次の曲が陽気なインスト。PART1 とは少し趣きが異なります。その後の曲を聴いているとサーカスでも見てるかのような気になる。Todd Rundgren が作るんだからやはりただのポップアルバムじゃない。

名曲ばかりなんですが、Couldn’t I Just Tell You も名曲。途中で止めた Take 1 がそのまま収録されていて、笑い声の後 、左右に振り分けられた綺麗なアコースティックギターのイントロとともに Take 2 が始まる。こういう仕掛けがまたにくい。少しハードなナンバーの後にはピアノのバラード Torch Song でぐっと聴かせてくれます。かと思えば、ハードロック調の Little Red Lights がいきなり始まったりする。このギターソロは右チャンネルと左チャンネルを行ったり来たしします。当時は、こういうのでも「おーっ!」ってなったもんですw

Dust In The Wind は大好きな曲。クリーントーンのブルージーなギターソロからサックスソロへと移行するところが何度聞いてもぞくっとするし、ソウルフルなコーラスもこの曲に輝きを与えていますね。

大ヒットした Hello It’s Me は 3回目のカウントでやっと始まるけど、始まってしまうと売れた理由がよくわかる。演奏もボーカルもこの曲は完成度がワンランク高い気がします。PART4 のハイライトと言えるでしょう。終わり方もかっこいいし、流れるように次の曲につながるとこが最高ですね。
You Left Me Sore も Todd のカウントから始まります。Take1 は笑ってしまい失敗、Take2 は犬の鳴き声が入ってしまっていますw Take3 も笑ってしまい合わず。Take4 でようやく決まるのですが、リラックスした感じのこの曲も大好きでオルガンがとてもいい感じです。

Todd Rundgren で一枚選ぶとすればやはり Something/Anything? に決まりでしょう。