自転車競技のためのフィロソフィー

自転車競技のためのフィロソフィー

自転車競技のためのフィロソフィー」(柿木克之 著)。
著者の書き克之さん、恥ずかしながら最近まで名前程度しか知らなかったけど、文武ともにすごい経歴の方で、その人が書いた本だということで読んでみました。
本書は体育会系でかつバリバリの理系の本というとても興味深い位置づけの本ですので、前半の理論は結構好き嫌いが分かれるかもw
帯にもあるとおり本書は「強くなるためのパワートレーニング教本」です。パワーメーターを使って LT 値を測定しないことには、4章以降は単に想像の世界となり、LT 値を測定しても紹介されているさまざまなトレーニング方法を実践しなければ「強く」なることは難しいかもしれません。私はパワーメーターも持っていませんから*1現時点理屈はある程度理解してもそこ止まりです。かと言ってパワーメーターを買ってきちんとトレーニングするのかというと中途半端に終わるのは容易に想像がつきます (苦笑)

スプリンターは生まれつきスプリンターなのです

やはりそうだったのか... スプリンターから別のタイプへ転身した選手はいるけど、その逆となるとかなり少ないと思われるのはやはりこういうことなのかも知れませんね。
基本的にとても科学的なトレーニング本なのですが、選手の力を構成する要素の「身体の運動の応力」はいわゆる「根性」とも密接に関係しているとも書かれているのが面白いですね。やはり脳からの指令で筋肉を動かしているので最後のひとがんばりは「根性」に無関係とは言えないということでしょうか。
7章では JCRC でもお世話になっている群馬CSCや日本CSCなどの慣れ親しんだコースのパワーパターンなども解説されており、これはとても具体的なイメージがわくので参考になりますね。
私はパワートレーニングはしていないので、トレーニング量の [J](ジュール)なども気にしたこともありませんが、パワーメーターでトレーニングしている人は皆さんとても科学的なトレーニングを実践しているので、ホント尊敬します。
これを読んだらパワーメーターをちょっと欲しくなりました。でも決して安いものではないし、CX バイクも欲しいし、いったいいつになったら物欲が消えて平和な日々が訪れるのでしょうか... (遠い目)w

*1:PowerCal は持っていますが、あれは心拍をベースにパワー値を推測しているので本来のパワーメーターの性能には及びません