「図書館革命 図書館戦争シリーズ4」(有川 浩 著)。
図書館戦争シリーズもこれが最終巻。私の主な読書場所は通勤電車なのですが、夏は全然雨が降らずジテツウばかりしていたので、すっかり読むのが遅くなりました。
今回も手に汗握る展開で、いったいどんな終わり方をするんだろうと思っていたけど、ちょっと意外というかハッピーエンドで "fin." という幕を閉じました。しかも最後は多くは書かれていなかったけど急展開で進行しましたね。この終わり方のせいもあり、とても爽やかな読後感でした。
「善意の押しつけ」について、場合によっては悪意よりも善意の方が恐ろしいことがあると書かれている。何かが見えていない或いは自覚していないということが、わかって悪いことをやっているよりも恐ろしいのである。少し話がそれるけど、空気が読めない人って時々すごい言動をして周りを不快にさせることがあるような気がする。これも見えていない(自覚症状がない)故にやっかいな例ですね。
本編ではないけど、いつもとても面白い児玉清との対談で今回勉強になったのが、情報の取捨選択。「膨大に調べて膨大に捨てる」といこと、有川さんは、小説を書くにあたって、物凄く沢山調べるそうで、ただその調べた情報をえんえんと書くことは決してしないというのである。読書にとってこの情報は必要かどうかというところで取捨選択をしているらしいのですが、これってまさに私自身の仕事にも直結する事柄だと思う。
この最終巻もいろんなドラマがあり、収録されている短編も思わずにやりとしてしまう。突拍子もない設定で、最初は「え〜、なんじゃこれ?」と思ったけど、あっという間に物語に引き込まれ、終わってみればとっても素敵なラブストーリーでした。
別冊も2巻出ているので、それらも読まないわけにはいかないですね。