サクリファイス

Blackcomb2007-11-28

サクリファイス」(近藤史恵著)。

同僚に勧められた一冊。自転車ロードレースの世界を題材にした青春ミステリまたはサスペンス。ロードバイクに熱中しているせいか、数時間で一気に読み終えました。これ、面白いです。個人的にはミステリを読んでいるという気持ちにはまったくならなかったものの、どこか重苦しい空気感がつきまとっていた。タイトルの意味「犠牲」と「死」がそうさせているのであろう。ロードバイクのことをまったく知らない人が読んでも十分に引き込まれるけど、専門的な用語が随所に(脚注なしで)登場するので、その方面の知識がある程度ある人の方が楽しめるだろう。主人公と周辺のキーパーソンの言動は奥底に響いてくるものがある。ついでにロードレースというチームスポーツの流儀とかアシスト、戦略など奥の深さも教えられます。

最終章ではこのまま終わってしまったらどうしようかと少し不安になったけれど、最後の最後で少し清々しい気持ちにさせてくれたのでホッとしました。