学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴 著)
今年の2月に読了した大ベストセラーです。その後映画化もされたけど見逃してしまいました。表紙とタイトルのインパクトもありますが、純粋に読み物として面白かったので一気に読んでしまえます。ベストセラーになったのもわかります。
受験を控えた子どもはもちろん、子どもを持つ親、部下を持つ人はここで紹介されているテクニックは教育や指導に大いに役立つと思います。
高校生でサンタを信じてた学年ビリのさやかちゃんが慶応大学に現役合格したお話し。坪田先生とおバカなさやかちゃんのやり取りがとっても面白い。例えば、「生類憐みの令」がどうしても言えないさやかちゃんは「しょうるいあまれるのめい」になったり「しょうるいあらめりのめい」になったりします。(笑)
そういうやり取りの合間に心理学や学習法などが沢山紹介されています。でもとても平易な言葉で書かれているので堅苦しさや難解なものはまったくありません。
メンタル〜目標〜計画。誰でも知ってるしわかっているけど、多くの人がきちんとできていないこと。モチベーションを保つための6割と4割、臨在性と迫真性、山田詠美の「ぼくは勉強ができない」、コーネル式ノート、小論文と作文の違い、「14歳からの哲学」、「教えない、支える指導」、相手の行動を変えるのではなく自分の行動を変える、行動療法、ツッコんで笑いにして重畳効果をリセット、ツァイガルニック、Beingで評価、プロスペクト論、やる気の順番などなど、へーなるほどねーという内容がてんこ盛りです。
また、坪田先生とさやかちゃんの次に重要な登場人物は、やはりお母さんのああちゃんでしょう。良識にとらわれない我が子を信じて取った素晴らしい行動は素晴らしいです。さやかちゃんが素直で優しいのはああちゃんという素晴らしいお母さんがいたからなのでしょう。
合格発表のあたりから目頭が熱くなって、泣いてしまいました。

「子どもが夢を語って努力を始めた時、周囲は、それを信じて温かく見守る」--- ただそれだけでよいのです。

受験直前に先生がさやかちゃんのボロボロになった英和辞書に書いた一文がすてきです。
Where there is a will, there is a way.
   (意思のあるところに、道は開ける)