アマゾンの秘密

Blackcomb2007-06-18

アマゾンの秘密 - 世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか」(松本晃一著)。Amazon が日本進出する直前にプロジェクトに参画した著者の視点から、極秘で進められていたアマゾンジャパン立ち上げの様子、オープンしてからの様子などがそれなりに詳しく描写されている。アマゾンの要というも言えるシステムについては、帯には「巨大なシステムの裏側を語る」とあるが、それほど暴露されている訳ではないと思う。でも日本の立ち上げがどのような雰囲気で行われていたのかとか、amazonという会社の雰囲気は伝わってくる。雰囲気としては、やはり同じ Seattle のマイクロソフトに似ている気がする(正確にはRedmondですが)。
CGMを重視している会社に共通していることだと思うけど、amazonも顧客中心主義で、ベゾスの「顧客は常に正しい」という理念がイソギンチャクと呼ばれるサイトやサービスにも浸透しているのかも知れない。
細かいことだが、「90年代の終わりには、ウィンドウズやマッキントッシュなどの主要 OS が、この UNICODE を次々と採用することになった。」というのは誤りですね。90年代初めの Windows NT 3.1 は既に UNICODE を採用していました。コンシューマ向け OS しか対象にしていないのかも知れないな。
Amazon のサイトは決してマニアックではないが、マニアが見ても十分に納得できるようなサイト作りを心がけたそうだけど、これってもの凄く難しいことのような気がする。「サイトの敷居は低く、情報の質は高く」とは見習うべきことの1つです。
Amazon に限らず殆どすべてのCGMを提供しているサイトに共通の課題は、微妙な内容についての削除依頼に関してのようである。同様の内容ははてなの本にも書かれていました。自由なコミュニティを維持するのは難しいものですね。だからと言ってがちがちに制約するのは避けたいですしね。
著者がamazonで学んだことの中に、amazonのやり方、つまり学べる環境は徹底的に整備するが習熟は本人次第、妙に親切な教育は行わない。社員を大人扱いしている。これはうちの会社も同じだなぁ。外資系は殆どそうなのかも。