Tacx Neo Smart (後編)

Tacx Neo Smart (前編) の続きです。

いよいよバイクの設置です。前編でも書きましたが、私のフレームが142x12mmのスルーアクスルなので、標準で付属しているクイックリリースは使えません。できればスルーアクスル用のアダプター T2835も標準で付属してもらえるとありがたいです > Tacx さん

このT2835なんですが、なんだかいろいろなアダプターが付いており何がなんだかよくわかりません。詳しい説明書が付属しているわけでもなく、パッケージに下のような図があるのみです。仕組みを理解している人にとってはこれで問題ないのでしょうが、私はそうではないのでこれを見ても何がなんだかよくわかりませんでした。試行錯誤した結果、写真のようなシャフト、クイック、アダプターなどの組み合わせで固定できることが判明しました。それ以外の2~3のパーツは私のフレームの場合は必要ありませんでした。

しかし!私のフレーム(恐らくCanyonの多くのディスクブレーキのロードバク)は、スルーアクスルのドライブトレイン側の穴が塞がっているので、T2835の細いシャフトは固定できません。いろいろと悩んで試行錯誤したけど、これはどう考えても無理です。この蓋というかカバーで穴が塞がっている限りどうしようもなさそうです。

この穴を塞いでいるカバーをよく見るとネジで固定されていそうです。これだ!と思い2.5mmアーレンキーでネジを緩めます。するとこの蓋が外れて穴が出てきました。この2.5mmボルトとカバーを外して、ディレーラーハンガーに先ほど外したボルトを使って直接固定します。つまり元々の状態との違いは、カバーが無くなっただけなので穴が貫通した状態になったわけです。

これならなんとかなりそうだということで、バイクを Neo Smart に設置して、アダプターT2835を貫通させ、あとは通常のクイックリリースと同じ要領で固定させます。本当にこんなのでいいんだろうかという不安もありましたが、その後ローラーに乗って負荷をかけても外れたりすることはなかったので大丈夫そうです。

ブレーキ側の方はというとブレーキキャリパーとNeo Smart本体とのクリアランスがギリギリです。あまりにもスペースに余裕がないので、設置するたびに本体を擦ってしまい、すでに傷が沢山付いてしまっています。この辺りもディスクブレーキのことをあまり考慮していない設計なのかなと思ってしまいます。ディスクブレーキキャリパーを本体に一度も擦ることなく設置するのは至難の業ではないでしょうか...

何はともあれ無事設置できたので、早速乗ってみます。Zwift といいたいところですが、せっかく Tacx アプリのPremiumアカウントサービスが3か月分無料なのでそちらを試してみました。一番楽しそうなのは、バーチャルではなく実在する場所のビデオを見ながらローラーができるメニューでしょう。無料で利用できるコースは少ないのですが、3か月間は有料サービス向けのコースもすべてアクセスできるので、興味がわいたものからいくつかピックアップしてみました。

1つ目はあのTour of Flandersのコースの一部を実際のプロのレースの先駆けて走るイベントコースの中からの抜粋。Kruisberu~Oude Kwaremont~Paterbergなどファンにとってはよだれもんの有名な石畳激坂のルートです。この映像と自分のペダリングや強度がシンクするのには思わず「おー、すげー!」と声が出てしまいます。坂道に入るとペダリングが重くなり、シフトダウンしないと登れませんし、石畳区間では、バイクがガタガタと振動するところも再現されます。逆にダウンヒルになると、ペダリングも軽くなりシフトアップしないと空転しますし、スピードに乗るとペダリングを止めてもホイールは回転し続け実走さながらです。テクノジーの進化に驚かされますね。これでスマートトレーナーの凄さを一気に思い知らされました。実際に私が走っているときの映像を少しだけキャプチャーしたものが以下の映像です。すごいですよね。


Kruisberu ~ Oude Kwaremont ~ Paterberg


Iseran - Val-d'Arc

自宅の部屋に居ながらにしてヨーロッパの美しい街や山岳地帯を走れるなんて一昔前では考えられませんでした。正直高い機材ですが、感動させられました。もはやローラー台(というかスマートトレーナーという呼び方が正確)のメーカーはハイテクエンジニアリング集団でなければ淘汰されてしまう時代が訪れたのかも知れません。