ニューバイク Canyon Endurace CF SLX Disc 9.0 SL (開封編)の続きです。
箱の中のバイクは、ステム一体型ハンドルとシートポスト、前輪が外された状態で入っていましたので、基本的にはそれらをフレームに装着するだけです。使用するツールはアーレンキーのみ。トルクレンチとカーボンパーツ用ペースト約1回分も同梱されています。トルクレンチは同梱されていたものは使わずに自前のものを使用し、カーボンパーツ用ペーストはせっかくだから使いました。
まずはフロントホイール。ディスカウントは初めてなのでローターに気を付けながら慎重に装着。12mmスルーアクスルも初めてなので最初は勝手がわかりませんでしたが、特に問題なく装着。ハンドル部分は1個しか付いていないので、ホイールの取り外しや装着はそれを使うことになります。このフロントディスクブレーキが後々面倒なことになります。
ステム一体型ハンドル Canyon H31 Ergocockpit CFとフレームに合わせたオリジナルデザインのスペーサーも美しく統一感溢れ、バイクメーカーがすべて手掛けたこだわりの成功例と言えるでしょう。このハンドルは見た目のカッコよさだけでなく、ケーブル内蔵、ジャンクボックスやマウント取り付け可能なボルト穴、前面投影面積を低減した造形など機能的にも優れており、実際に乗ってみるととても快適です。これは上ハン部分が一直線ではなく少しへの字になっていることが Ergo という名前の由来なのでしょう。
そしてシートポスト。これはCanyon S15 VCLS 2.0 CF (25/13mmセットバック)というもの。実際は ERGON CF3 PRO カーボン セットバック https://amzn.to/2BOdFqa と同じものと思われます。径は細めの27.2mm。Flip Headというクランプの位置を入れ替えることでセットバック量を13mmまたは25mmに変更できるという優れもの。セットバック25mmだと後ろすぎるのでセットバック0mmに買い替え何て必要もなさそうで良いですね。縦分割リーフスプリングが振動吸収に貢献するのか不明ですが、これによりサドルのアングルを調整できるのが新鮮でした。アングルを変えるにはシートポストをフレームから抜く必要がありますが、角度を変えることはそうないので問題ないでしょう。シートクランプはどこにも見当たりません。ISPではなく、シートチューブにインテグレートされているものでヘッドレススクリューで固定するという仕組みです。こんなところにも機能と美しさの拘りが感じられます。
ステム一体型ハンドルもシートポストもすべて適正トルクが印字されているので間違えることは無いですね。
ブレーキは初の油圧式ディスクブレーキ SRAM RED HRDです。ローターは16mmです。面倒なフレーム内ルーティングもすべて完了した状態なのでほぼ何もすることはありません。ホイールは、Reynolds ASSAULTディスクブレーキ用41mmカーボンリム。遠目から見るとどこのメーカーのホイールかわからないブラックラベルが個人的には好みです。リム内幅21mmとかなりワイドなので標準で付いていたタイヤはなんと28c。
コンポーネントはSRAM RED eTapなので、フロントディレイラーとリアディレーラーのバッテリーをチャージしてから取り付けます。ペアリングはもう済んでいるいるので手間が省けて助かります。さすがは完成車。
さて、試しに変速してみるときちんとワイヤレスで変速しました。当たり前と言えば当たり前なんですが、ちょっと感動です。
ホイールを空転させてブレーキも試してみました。リアはまったく問題ないようなのですが、フロントがローターとパッドが擦れてしまい、シュッシュッと擦れる音がします。えー!完成車ってブレーキの調整とかもちろんしているはずだろうから、そんなはずはないと思い、ホイールを再度着脱。やはり擦れる音がします。SRAMの紙のドキュメントは殆ど入っていなかったのでWebサイトでディスクブレーキの英語のドキュメントとYouTubeのビデオなどを調べて調整方法を学びました。殆どは、キャリパーの固定を緩めてブレーキレバーを握ってセンター出しをして、キャリパーを固定し直す。それでも解消しない場合は、これを繰り返すとあります。でも何度やってもダメで目視で音鳴りがしないポイントを地道に探して固定するというのを何時間も試して格闘。結局解決しませんでした。
家の周りを少しだけ走ってブレーキを強くかけたりシフトの確認などをしてみることにしました。フロントブレーキはやはり空転時に擦れる音が消えません。取りあえず一番擦れる音が少ない地点を探して仮運転することにしました。
色々と調べると、ディスクブレーキはホイールを外したら必ずスペーサーを挟むことというのが色々なところで書かれていました。スペーサーってどれだろうと思い探していたら、はっと気づきました。開封して組み立てるときに袋に2個オレンジ色のプラスチックの板が入っていたことを思い出しました。もしかするとこれがスペーサーではと思い挟んでみるとばっちりはまりました。このスペーサーは、送られてきたときはブレーキに挟まっておらず黒い袋に2個入っていました。ホイールを外したら必ず挟みなさい。そうしないとピストンやディスクパッドが閉じてしまいますと書かれていました。もしかすると、これが原因で擦れる音がしているのかも。そうだとすると明らかに Canyon 側のミスだなぁ。ううむ。この問題を解決するにはピストンプレス https://amzn.to/2P6gBQu というツールが必要らしいけど、それが原因かどうかわからないのに安くないツールを買うのもできれば避けたい。
シフトについても、ロー側の2枚目から3枚目に上がらないという現象が発生。完成車なのにシフトの調整もちゃんとされていないのかと愕然... Canyon はしっかりしたメーカーだからそんははずはないと信じたかったのですが、何度やってもそこの変速はダメでした。SRAM RED eTapのディレイラーなんて初めてなので、これまたWebで英語のドキュメントを探して調整方法を学びつつトライアンドエラーで調整。SHIMANO Di2だと長押しで調整モードに入り、その後は普通のシフト動作で少しずつディレイラーを動かすやり方ですが、eTapはレバー裏のボタンを押しながら変速するという方法のようです。Di2の方がやり易いと感じたけど慣れの問題かも知れませんね。ただ、リアディレーラーの調整は右のレバーだけで調整できるDi2の方がメンテナンス性はいいですね。eTapだとクランクを回しながらだと遠い左レバーの操作が必要なのでちょっと不便に感じました。結局リアディレーラーの位置が遠すぎたので調整ねじで距離を近づけた後、長押しでシフトを繰り返し何とかすべて変速できるところまでは調整できました。でもロー側のギヤのときにカラカラと小さな音がするけど許容範囲内かな。
その後も試行錯誤してブレーキの擦れる音を解消しようと頑張ったけど完全に音を消すことはできませんでした。仕方がないので Canyon に相談すると、不具合個所を修正するので着払いで送ってくださいとのこと。梱包するのは手間だったけど、初期調整ミスだと思うので、送って修正してもらってすっきりしようと決めました。送り先は、京都。Canyon は京都だったんですね。知りませんでした...
結局、1週間ほどで不具合個所が修正されてバイクが戻ってきました。ブレーキはやはりスペーサーを挟んでいなかったことが原因だったようです。「パッドスペーサーが無かったことにより、クリアランスが不足しておりました。ピストンのリセット作業を行い、キャリパーを再セッティング致しました。」とのことでした。何はともあれ解決して良かったです。