ロックと共に年をとる

ロックと共に年をとる

ロックと共に年をとる」(西田 浩 著)。Ryonoda さんに借りた興味深い一冊。
著者の西田氏は私と同じ 1963年生まれということもあり、ロック遍歴に共通点が多く、内容も共感するところが多かった。ロックにのめり込むきっかけがラジオで聞いた「キラー・クイーン」らしいが、私も姉が持っていたクイーンのレコードだったかも知れない。ちなみに自分で初めて買ったロック・アルバムは Deep Purple In Rock だったかな。
ロックは当時若者の、若者のためだけの音楽というものだと信じていた。でも聴き手が歳をとったのと同じようにロックも歳をたったのだということを改めて気付かされました。でもそれは悲しいことでもなんでもなく、私と同世代のおやじ達が老け込んでいる訳ではなくて、コンサート会場に足を運んで盛り上がっているのだということを。ロック史50余年で、当時のロックのイメージである、騒音、不良の音楽、いかがわしいというものは今は大きく変わっています。親や或いはその親とロックを語り合えるというのも可能な時代になったんですね。
二十七歳厄年説 - 私は知らなかったのですが、27歳で死んだ大物が多いらしいです。Robert Johnson, Jimi Hendrix, Jim Morrison, Janis Joplin, Kurt Cobain など。それ以外にも20代で亡くなった大物ミュージシャンは凄く多かった。しかも昔はとてもロック的な死が多かったという話も頷けるし、近年そういったケースが少なくなったというのも言われてみればそうだ。逆に癌などで亡くなるケースがちらほら出てきた。
トリビア的なネタとしては Rush は75年にセカンドアルバムを出した時から、メンバー交代が一切なく、今も同じ布陣で君臨し続けているというのは凄いことだ。プログレバンドをはじめちょっと前にベテラングループの再結成ブームなどもあった。本書にも書かれていたけど、老けた姿を見るのは切なくもあるのだが、当時を彷彿とさせる音が聴ける嬉しさはまた格別なのも事実。ベテラングループが全盛期当時よりも頻繁に来日してコンサートを行っているというのも、言われてみれば確かにそうです。彼らが生きている(または私が生きている?) 内に見に行かなきゃ。

この仕事をするようになって感じたことだが、かつてのプログレマニアは、他のジャンルのロックを愛好していた人に比べると、大人になっても音楽離れすることなく、しぶとく聴き続ける比率が高いようなのだ。

私はプログレマニアじゃないけど、プログレは大好きなので、これちょっとわかる気がしますね。私もしぶといですw
著者が行った数多くのインタビューの裏話や、オジー オズボーンやマリリン マンソンに代表される怪人(?) たちの思考など、すべての話をとても興味深く読ませていただきました。
すべてのロック好きのおやじ達にお勧めできる一冊と言えます。本書のおもしろさは、ロックの好き度合いに比例しているんじゃないかな。