西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ」(梨木 香歩著)。
この本は嫁はんが買って家においてあったので、ちょいと借りて数ヶ月前に読んだもの。細かいところを覚えていないので、読んだらすぐに書く癖をつけた方がいいですね。
著者も本書についても何の予備知識もなかったので、タイトルだけ見ておどろおどろしい内容なのかと勝手に想像していたけど、まったく違いました。わし鼻でホウキにまたがった魔女は登場しません。(^^;
そんな程度の知識しか持ち合わせていなかったので、本書がミリオンセラーであることや、映画が公開されたことも知りませんでした。DVD も先月発売されたようです。
主人公のまいとおばあちゃんを通じて、生と死や物理的な肉体にとらわれない魂などが清々しく描かれており、現代社会に流されて生きている生活を見直すにはお勧めの一冊といえます。生と死を扱ったものでは、夏の入院中に読んだ玄侑 宗久の「アミターバ ― 無量光明」を思い出しました。かなり毛色は異なりますが、死というものが悲しいだけのものではなく、魂の存在を考えさせられるという意味では共通する部分はあるかもしれません。決して変な宗教的なものではありません、念の為...
本書全編を通じて、(少なくとも私が)感じたのが著者の女性特有の感性です。人物や感情の描写もそうですが、木々や草、花、いろいろな食物などが沢山登場します。ああいったタッチはきっと女性ならではのような気がしました。植物の名前を殆ど知らない私は、そういった植物の名前から映像がイメージできないので大いに損しているかも。