僕の音盤青春記 1971-1976

Blackcomb2007-09-05

僕の音盤青春記 1971-1976」(絵と文: 牧野良幸)。著者が中学2年(1971年)から高校3年(1976年)までの間に聴いたレコード(音盤)にまつわる青春記です。著者の純朴な青春時代がなんとも言えなく微笑ましく、輸入盤などまだ普及していなかった頃で情報もFM雑誌が唯一のソースだったりした懐かしい時代である。チョイスされているアルバムもいたってポピュラーなものが殆どなのだが、時折ニヤリとさせられるチョイスがあって楽しい。音楽評論家がこの手の企画で本を書いたらもっと理屈っぽくなってしまうだろうから、この「ほのぼのとした雰囲気に共感を抱く」といった状況は生まれないだろうな。
「国内版のLPは、歌詞カード、ライナーノーツに加え年表付き」- そう言えばそうだった。私は転勤で東京に来る時にLPをすべて友人に譲ってしまったのでそれ以来1枚も手にしていない(これはちょっと後悔している)。でもそう言えば昔はそうだったかも。
  「SQ4ch家具調ステレオ」- これは昔実家にあった。でも4chのレコードは1枚も持っていなかった… 「ソニーのラジカセ “デンスケ”」、「サンタナロータスの伝説」の 22面ジャケット」のエピソードは面白い。確かに中学、高校生の頃は友達とレコードを聴きながらああでもないこうでもないと語り合うのが楽しかった。ポルノ映画を友達と観に行った話や輸入盤を注文したときに英語が多くて緊張したというところにも当時の著者の純朴な様子がよく伝わってくる。
この本は装丁もこだわりが感じられる。70年代の音楽が好きな人や著者と年齢が近い人にはお勧めの本ですね。
このイラストや全体の雰囲気が、糸井重里が20年以上前に出した「ヘンタイよいこ新聞」を思い出させる。私だけ?というか「ヘンタイよいこ新聞」を知らない人が多いか…