ビル・ゲイツの面接試験

ビル・ゲイツの面接試験 - 富士山をどう動かしますか?」(William Poundstore 著)、原題 “How Would You Move Mount Fuji? Microsoft’s Cult of the Puzzle. How the world’s smartest companies select the most creative thinkers.” 長い!
知能検査の歴史とその遷移、面接における在来型質問、行動型質問、そして未来形。パズル問題が何故広く使われるようになったのかが Redmond のマイクロソフトを例に書かれている。一般的に面接する側は、面接を受ける側が椅子にすわるときにはもう(深層心理で)決めているそうである。面接終了後にその結果(自分の判断)が変わる確率は極めて低いということがある実験ででているそうである。ということは、面接時間の大半は無駄な時を過ごしているということか。もし採用の場合は単なる確認作業に費やされている訳で、不採用の場合は和やかに世間話でもするわけである。
「われわれの仕事でいちばん重要なのは、すごい人を雇うことだ」と Steve Ballmer は一度ならず言明している。取りあえず自分のことは棚に上げて書くと、これは本当にその通りで面接する側になりインタビューアーをする機会を持った人は、面接される側と同じかそれ以上に準備して面接に臨むべきだと思う。おかしなことに「アイツ使えない」と愚痴をこぼす人に限って、面接試験を最重要視していないし何の準備もせずに臨んでいるのではないだろうか。才能のない労働力を採用して後から困るのは自分だけではなくその周りの人全員が何年にも渡り苦しまなければならないことを重要視すれば、後々楽できるんですけどねぇ。
後半は、沢山のパズル問題が解答と解説付きで紹介されている。決してとんちのような問題だけという訳ではなく、むしろきちんとした計算式(推論が必要だが)により解を導き出すものが多い。これらは既に世の中に広まりすぎて最近は面接でも使われなくなったのかな。実は私もこの手の問題は面接で聞かれたことがある。何種類か答えは絞り出したけど、その前にこの本を読んでおけば良かったなぁと思った… いずれにせよ面白半分に使って相手がその質問を知っていた時や逆に質問されたときに困らない程度に上手に使えれば、有効ではあると思う。

  • マンホールの蓋が四角ではなく丸いのはなぜでしょう。
  • 鏡が上下でなく左右を逆転させるのはなぜでしょう。
  • アメリカにガソリン・スタンドは何軒あるでしょう。
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この本に書いていたけど、Google は、その名を(綴りは違うが)グーゴル(Googol=10^{100})という数からとっているそうである。恥ずかしながら知らなかった…