アート・オブ・プロジェクトマネジメント

Blackcomb2007-05-23

アート・オブ・プロジェクトマネジメント」(原題: The Art of Project Management, Scott Berkun著)。副題が "マイクロソフトで培われた実践手法" であり、オライリーから出ているというのがきっかけで読みました。プロジェクトマネジメントをいちから学びたいという人向きの本ではないと思うし、そういった類の本であればもっと他に良い本が沢山あるはずです。しかし、マイクロソフト開発グループのプロジェクトマネジメントやプログラムマネージャ(以下PM)という仕事に興味がある人や、まさにマイクロソフトで働いているがプロジェクトマネジメントで何か参考になるものやヒントが欲しいと思っている人にはお勧めできます。
PMは誰よりも多くメンバーと話し、誰よりも多く意思決定を行い、チームの仕事がうまくいくように懸命に努力する人とある。プラスの成果を生み出すためならありとあらゆる手段を講じる。つまりは何でも屋さんなのである。プロジェクトマネージャはうまくいっていることと、うまくいっていないことを他の誰よりも知っていなくてはならないので、忙しいのは避けられないでしょうね。著者が愛用している日々のマントラは「いい仕事をしよう」だそうである。これは使えるのでぱくらせてもらおう。(^^)

開発チームのメンバの中には、ビジネスの視点が弱い人がよく見受けられるが、そのビジネスの視点についても少し触れられており、そこで書かれている自分たちへの9個の質問も当たり前のことではあるが、常に頭にいれておく必要があるいい内容である。

要求定義、顧客調査、ものの見方、アイデア、優れた質問、仕様書の使用によって出来ること、レビューによって本当はそれほど価値のないものを見抜く、精度と正確さの違い、コミュニケーション上のよくある問題、ミーティングの注意点等は興味深いトピックでした。個人的には、必要以上にメールでのみのコミュニケーションを好み、メールだと強気になるタイプは要注意だと思っている。でもそういうことも含めてうまくやっていかなければならないので苦労するわけですけどね。そういう人はきっと10章の「人を不快にさせない電子メール」を読んでもまず自分のまずさに気がつくことはないんだろうな。(これ、別に特定の人を指している訳ではありません。念の為。)

自ら意思決定を行い、その責任とプレッシャを引き受ける人たちよりも、他者の意思決定を批判したり嘲笑する人たちの方が多いというのが世の常です。
意思決定というものは勇気のいる作業です。というのも、プロジェクトにとっての最良の意思決定は、メンバーの不評を買うことも多く、チームの中核メンバーを動揺、あるいは失望させ、ものごとが悪い方向へと進んだ際にはあなたが針のむしろに座ることになるためです。
こういった重荷は、リーダーシップを発揮しようとするすべての人が負うものです。(中略)優れたリーダーになろうとするのであれば、勇気を持って意思決定を行う必要があるのです。

確かにもっともである。もしプロジェクトマネージャだけでなく、チームのメンバがこれを理解してくれていたら、そのプロジェクトはどんなに楽しいことか。